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2022年1月15日社長ブログ

2022年01月15日
カテゴリー:
機能と意味 

前回は「価値と利益」の話を書きました。 
今回は「機能と意味」です。
20世紀中ごろの敗戦後、モノがなかった時代にはモノの機能が非常に重要な時代でした。 いわゆる「3種の神器」に代表される家電や車などにより、家事や情報伝達の生産性、移動効率などが飛躍的に向上しました。
一方、21世紀に入り、機能面ではやや過剰気味、飽和気味になっているものもあります。 消費者からは「そこまでの機能はいらないよ」という現実がありながらも、メーカーとしてはより高機能な製品を作り続けざるを得ず、結果としてシンプルで低価格な製品に負けてしまったりもしているようです。 
またパソコンや車のように、徐々にコモディティ化してきている製品の場合にも、機能の差別化が困難になってきています。 
そうした高機能なものが十分に供給されきった環境における差別化要因として、「意味」が注目されています。 

例えばサステイナビリティの観点からスニーカーをつくるメーカーがあります。機能面はもちろん十分なのですが、機能だけ考えると市場の中でやや高い価格設定かもしれません。それでもビジネスとして成立しているのは、「サステイナビリティ」という「意味」に対して消費者が対価を支払っていると考えられます。 
脱炭素など社会課題解決系の話だけではありません。例えば1台が何千万円もする車であっても多くの購入者がいるようです。機能面だけで考えると、確かに速度は出せるのですが実際にそこまでの速度を出す機会はなく、モノを運ぶという機能も優れてはいませんし、多くの人が乗れるわけでもありません。維持費もかかるようです。そうした機能面で決して優れているとは言いにくい車であっても、高い対価を支払う人がいるのは、その「意味」に支払っていると考えられます。 

モノとしての機能面が飽和してきている現在において、機能を必要十分に満たすことを前提として、その上に「意味」を付加した商品・サービスが求められています。 

ではその「意味」はどのように作っていけばいいのか。 それを考えていくのが今後の経営者の大事な仕事だと考えています。



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